貧血のメカニズム
監修: 医学博士 湯本優
様々な不調の原因となる貧血。どうして起こるのでしょうか?なぜ女性に多いのでしょうか?このページでは、それを解き明かしていきます。
Fact. 1
貧血 = 体の酸欠
病気とまではいかない不調。例えば、寝ても疲れが取れない、顔色が悪い、PMSや月経が重い、集中力が続かない。これらはよくある貧血症状です。
貧血とは「赤血球」やその主成分の「ヘモグロビン」が不足した状態。ヘモグロビンの役割は体中に酸素を運ぶことなので、それが不足すると体全体が酸欠に。そうすると頭も、筋肉も、臓器も、細胞も、正常に働けなくなります。つまり、貧血 = 体の酸欠 なんです。
Fact. 2
貧血は、女性の月経と隣り合わせ
赤血球やヘモグロビンは、鉄分・亜鉛・葉酸などの栄養素によって作られるので、それら栄養素が不足すると貧血になります。また、女性の場合は毎月の月経や出産時の出血、妊娠期や母乳育児による子供への栄養提供などにより、男性よりも多くの栄養摂取が求められるため、より「栄養不足」による貧血になりやすいです。
Fact. 3
鉄分は体内にストックできる
ヘモグロビンを増やすのに最もたくさん必要なのが鉄分。この鉄分は優れもので、体内に貯蓄できるんです。出血などによって血液中にあるヘモグロビンが減ると、貯蔵された鉄分が使われてヘモグロビンが作られます。
貧血は、この「貯蓄」が底をつきかけている状態によく起こります。普段から鉄分と、それとともにヘモグロビンや赤血球を作る亜鉛・葉酸・ビタミンB12などの摂取を心掛けることが大切です。
#03 「血の力」を栄養で高めるでは、具体的に普段の食事でどのように貧血を改善していくかをお伝えします。
もっと学ぶ
#01 データから見る日本の貧血問題
#03 「血の力」を栄養で高める
#04 「血の力」はすぐには高まらない 1
医学博士 湯本 優
スポーツメディカルアドバイザー
順天堂大学大学院 医学研究科 博士課程修了。スポーツ医学トレーニング、フィットネス、ニュートリション分野のエキスパート。XTERRAの元日本代表選手。