日本は他国より貧血女性が多い?
監修: 医学博士 湯本優
日本が「貧血大国」と呼ばれているのをご存知ですか?
2019年にWHOが世界192国を対象に行った調査によると、日本の15-49歳の貧血女性の人数は479万6千人で、世界で19位。
貧血率も他の先進国に比べて高く、G20ではインド、インドネシア、南アフリカ、サウジアラビア、ロシアに続く高さ(19%)。これによる経済損失は、数千億円と言われています。
貧血は「栄養不足」によって起こります。
日本は先進国なのに、どうして? その理由は大きく3つ。
① 鉄分添加の食品が少ない
他国は貧血対策のために、小麦粉・醤油・米などの主食に鉄分添加を行っていますが、日本はそれがありません。
② 忙しすぎて栄養まで手が回らない
会社や家族のために働き続ける日本女性。実際に世界でも2番目に睡眠時間が短いほど、忙しい。そのせいで朝食を抜いたり、コンビニや冷凍食品で済ませたり。現代女性の栄養摂取量は、戦後と同じぐらい低いと言われています。
③ ダイエット
痩せていることが魅力的とされる国は珍しいです。日本ではダイエットすることが当たり前になっていますが、実は1度ダイエットで体内の栄養を減らして貧血になってしまうだけで栄養負債になってしまい、サプリや薬を飲まない限り治せません。
特に20-30代女性の92%は日々の食事で鉄分不足で、気がつかないうちに貧血になっている人がとても多いです。
もし体調を崩している方が周りにいらっしゃれば、 血力テスト を勧めてみてください! その方が「貧血」について知るきっかけになれると思います。
もっと学ぶ
#22 頭痛と貧血の関係は?
#20 鉄分は歯に着色する?
#19 鉄不足かを簡単に知る方法は?
医学博士 湯本 優
スポーツメディカルアドバイザー
順天堂大学大学院 医学研究科 博士課程修了。スポーツ医学トレーニング、フィットネス、ニュートリション分野のエキスパート。XTERRAの元日本代表選手。