
冷たい飲み物の罠にご注意…
監修: 医学博士 湯本優
汗ばむ日が増えてくると、冷たいお茶やアイスコーヒー、炭酸などが恋しくなりますよね。
でも、その“ひんやり一杯”が、知らないうちに体の中の大切な栄養を遠ざけているかも——
実は、冷たいもので胃腸が冷えると、栄養全体の吸収力が低下するんです。
胃腸の温度が下がり、消化酵素の働きが鈍くなると食べ物をうまく分解できず、栄養の吸収効率も低下。特に鉄分やたんぱく質などの吸収に影響しやすく、冷えが続くと胃腸の血流も悪くなり、さらに働きが落ちる悪循環に。
また、緑茶・紅茶・コーヒーに含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げます(特に野菜や豆に含まれる「非ヘム鉄」)。

でも大丈夫。すぐにできる対策もあります。
◎ 食事中は白湯やスープなど温かい飲み物を選ぶ
◎ 食事直後はルイボス・麦茶・ハーブティーなどを選ぶ
◎ コーヒー・お茶は食後30分あけてから

“冷たい誘惑”とうまく付き合うことで、体の中に鉄分がちゃんと届き、疲れやすさや気分のムラの改善にもつながります。
この初夏は、“からだ想いの飲み方”を、少しだけ意識してみませんか?
医学博士 湯本 優
スポーツメディカルアドバイザー
順天堂大学大学院 医学研究科 博士課程修了。スポーツ医学トレーニング、フィットネス、ニュートリション分野のエキスパート。XTERRAの元日本代表選手。
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