
キレート鉄ってなに?危険なの?
監修: 医学博士 湯本優
「キレート鉄って、危険ですか?」という質問をいただきました。
キレート鉄とは、鉄にアミノ酸などを結びつけて「吸収されやすい形」に加工された、比較的新しい鉄分の一種です。
日本ではまだ食品原料としては日本で認可されていないので、主にアメリカを中心とする海外サプリに用いられています。「フェロケル」「ビスグリシン酸鉄」「鉄アスパラギン酸塩」などと表記されていることが多いです。
ヘム鉄よりもさらに吸収率が高いので、リボルではサポートしきれない 血力「1」などのひどい貧血の方に向いていると言われています。
キレート鉄 自体が危険だという報告はありませんが、「吸収されやすい」からこそ、過剰摂取や急性の中毒症状などに注意しないといけません。
とくに海外サプリは1粒に鉄分が30mg以上含まれているなど、過剰に配合されていることがとても多いです。
長期的に摂り続けると、肝臓に鉄が沈着したり、腸の粘膜が荒れるなどのリスクが報告されています。
また、キレート鉄を継続摂取した結果、フェリチン(貯蔵鉄量に関する数値)が異常に上昇する一方で、貧血に関する数値(ヘモグロビン濃度など)が改善しない、といったケースも医療現場でみられるようです。
キレート鉄のサプリをご検討されるなら、医師にご相談の上で、ご自身に合ったサプリと容量・用法を選ばれることをお勧めします。

一方、リボルに配合しているのは、「ヘム鉄」。
お肉や魚と同じ形で、体のニーズに応じて吸収が調整される鉄分です。
必要な分だけをしっかり取り込み、余剰は排出されやすいため、安心して日常使いしやすいのがポイント。しかも、吸収された鉄はフェリチンとしてしっかり蓄えられ、次の“必要なタイミング”にも役立ってくれます。
そのため、吸収率が高いのに副作用の心配が少なく、日々の体調管理にぴったりです。
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キレート鉄 |
ヘム鉄 |
非ヘム鉄 |
吸収率 |
◎:非常に高い |
◎:高い |
△:低い |
吸収の |
×:調整機能が働きにくいことも |
◯:必要量だけ吸収 |
△:調整しにくい |
胃腸への |
多め |
少ない |
多め |
主な |
中〜重度の鉄欠乏/医師の指導下での摂取向け |
日々の体調管理/軽〜中度の鉄不足 |
食事での補助 |
日本での |
×:未認可 |
◎:食品として広く利用可 |
◎:食品や強化食品で一般的 |
「鉄分をしっかり補いたい」と思ったときには、“量”だけでなく、“かたち” や “吸収のしくみ” にも注目して選んでみてください。
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医学博士 湯本 優
スポーツメディカルアドバイザー
順天堂大学大学院 医学研究科 博士課程修了。スポーツ医学トレーニング、フィットネス、ニュートリション分野のエキスパート。XTERRAの元日本代表選手。